秘密...3唇を重ね、互いの舌を味わう。鳥の声、通り抜ける風の音。 陽射しは暑すぎるほどだというのに、庭はそう暑くはない。漂う氷の妖気が庭をひんやりさせているのだ。 緑萌える庭には似合わない、舌の絡み合う、くちゅ、という小さな音。 「ん…ん、あ、っは、ん……ふ…」 耳たぶ、首筋、鎖骨。 蔵馬の唇は、丁寧に味わいながら、降りていく。 小ぶりな両の乳房が、大きな手で包まれ、揉み解される。 果実のように色づき、ツンと立った乳首を蔵馬は唇に銜えた。 「イ、ア、そこ、やめ…あ!」 舌でコロコロと転がされ、時折軽く歯が立てられる。 いつもの性交でも乳首への愛撫はされているが、女の体では感じる深度が違う。 下腹部にじんわり響く重い快感に、飛影は大きく息をつく。 「くら、あん、んんっ、あう…嫌、あ」 「飛影…足、広げて…」 ほんの少し、飛影が躊躇うように広げた足を、蔵馬はぐいっと引き、大きく広げさせる。 「や。や、やめ!やめろっ…!」 淡い茂みの下、二枚の襞の重なるそこは、透明の液を流し、すでに濡れている。 「あ!そこ、駄目、だって言ったは…ず…うあ!」 「入れない、って約束しただけ…」 「な、貴様…っ!」 卑怯だぞ、と罵ろうとした瞬間、襞をかき分けた二本の指が、中心をつまんだ。 「アアアッ!! 痛、あ!アア、ア、ヒ、ァ、駄目、嫌、やめろ…!ア!!」 ビリッと電気を流されたような衝撃に、白い体が捩れた。 蔵馬の右手、人さし指と中指に挟まれ、小さな芽は尖って主張し始める。 こね回され、つまんだまま引っ張られ、たちまち硬くなってしまう。 「ア、ア、ア、嫌、うあ、ああ…」 蔵馬の手、今度は左手がするりと股間に入り込む。 襞の間の、粘度を持つ液体をたっぷりと指にまとわりつかせ、つうっと後ろへと動かす。 ヒク、ヒク、と収縮する後ろの穴に、ねっとりと、人さし指を差し込んだ。 「っひ、あ、ああ、うあっ…んう…」 こちらの穴は慣れたものだ。人さし指、増やされた中指とで、じっくり掻き回す。 後ろへの刺激が前にも響くのか、襞の間からは透明な液体がとめどなく、流れ出す。 「いい匂い…甘くて、いやらしい匂いがするよ」 「あ、嫌、嫌…やめろ…やめろっ…!」 「…気持ちいい?」 「うあ、あ、よく、ない…!もう、やめ…アアア、ア、ア、ウアッ!!」 濡れた恥丘を手の平全体でぎゅっと押さえ込まれ、そこがビクビク痙攣するのを飛影は止められない。 それどころかその痙攣は早鐘のように打つ胸の鼓動とシンクロし、全身をどくどくと熱く沸騰させる。 「ほら、動いてる…オレの手にも伝わるよ、飛影。……気持ちいいんでしょう?」 「くら、も、本当に、よせ…やめ、あぁ…ん…嫌、あ…」 キュウキュウと締めつける後ろの穴を指で刺激しながら、規則正しい動きで蔵馬の手は恥丘を揉み込む。 手の平に溢れる蜜は、指の間から滴り落ち、長椅子に染みを作っていた。 「も、だ、め、ぁ、うあ、あ、だめ…!」 「待って…もう少し頑張って…」 温かい体内から、指を小刻みに動かしながら抜き出す。 半開きの唇から唾液を垂らし、顔も体もピンクに染めて喘ぐ飛影に口づけを落とし、蔵馬は飛影の両足を、自分の両肩にかける。 「約束通り、後ろに入れるからね…」 「う、う、あん…ア、アッアッ、アアアアァァァアアッ!」 ぐぶっと後ろの穴は蔵馬を飲み込み、前の穴は、ぴしゃ、と音を立てて、開いた襞から淫液を吹き出させた。 「ア、ア、アアン!ウアアアッアン!アン!」 「飛影…イイ?」 「い、あ、んんー!! あっあっあっ、んあ!っあ!っあ!っあ!」 ぐちゅ、ぬぷ、と長椅子を軋ます激しい抜き差しの音と、飛影の上げる喘ぎ声が、東屋を突き抜け、庭に響き渡る。 自らも快感の海に溺れ、夢中で腰を振っていた蔵馬は、ふと、自分の下腹部に当たる小さなものに気付く。 「っあ!っあ!っあ!…くら…ま…っ!あああぁ…!」 物欲しそうに、襞から顔を出した芽。 まるで何かの生き物のような、ぬらぬらと濡れた、赤い尖り。 「あ、あ、ああ!……くら…くらま…っ…ま、え………前…っ」 泣き出しそうに濡れた声を、飛影が上げた。 「前?前には…入れてないよ?」 「ちが、う、そうじゃな…っ………前、さわっ…て…」 ピンと張りつめた飛影の足先が、蔵馬の背に押し付けられる。 「前……前も、触れ…!はや、く…!」 「前って…ここかなぁ?」 クスクス笑いながら、飛影の言う通りに蔵馬は襞の間に中指を差し入れ、親指と人さし指を使い、赤い尖りをギュッとつまんだ。 「アアアアン!! アン!! ア!ア!ア!ウアア、んう!」 「…すごい、ね…」 水のわき出す泉のように、飛影の陰部は、まるで射精のかわりとでもいうように、熱くぬるつく液体を大量に流して脈打っている。 前に入れた指、後ろに入れた陰茎とが薄い膜を通してぶつかり、初めての感覚を蔵馬にも飛影にも味わわせる。 「っ、くう…飛影…これって…すごく…いやらしくない?」 「アッアッ、アアア、アン!! あっあっあっあっ…あう…」 飛影は今やもう、言葉にならない声をひっきりなしに上げ、体を波打たせて快感に溺れている。 二つの穴と、指でこねくりまわされる尖りと。 三箇所で感じる強い快楽は、この幼い妖怪には受け入れきれないらしく、下肢は痙攣を起こしていた。 「……飛影」 飛影と出会って何年も経つというのに、何度も体を交しているのに、 これほど生意気で、淫らで、愛しい者が存在することに、蔵馬は何度でも驚嘆してしまう。 もうこれ以上驚かされる事はないだろう。 いつもそう思うのに、飛影はいつだってその上を行く驚きをくれるのだ。 突く、抜く、また突いて、びしょ濡れの襞を掻き分け、掻き回し、唇を合わせ、舌を絡め合う。 体が溶けて、交わってしまうのではないかというほど、濃厚に。 氷の妖気を溶かしてしまうほどに 熱く、淫らに、貪り合う。 五年に一度の狂宴は、長く、長く、続けられたのだった。 陽が沈み、月が昇り、豊かな庭を月光で満たすまで。 ...End. おまけを読む |