It's
Too Late...2
「ほら、もっとお尻を上げて」
蔵馬は四つん這いになった飛影の尻をさらに高く上げさせ、両手で尻の肉を左右に広げる。
尻の肉を広げた奥に何があるのかなんて誰だって知っている。男同士の場合はそこを使うらしい、って事も。
蔵馬はそこに顔を寄せ、舌で舐め出した。
…信じられない。
信じられないのはその行為なのか、それを行っているやつらなのか。
オレは完全に混乱し、とはいえどちらかに…もしくは両方に…見つかるってのは最悪のパターンだってことは分かっていた。
気配を消すのはあまり上手くない。だが二人とも互いに没頭し、気付いていないようだった。
というか、そうであってくれねーと、困る。
「ん、あっあっ、そこ、あ…い、やだ…」
嫌という言葉とは裏腹に、飛影の股間は腹にくっつくぐらいに勃ち上がり、時々シーツに白いものがポタッと滴っている。
甘く、擦れた声。
白い肌は上気し色づいている。
そもそも飛影の肌が白い事すらオレは初めて気付いた。
普段のあいつからは想像できないエロさだ。
散々そこを舐めていた蔵馬がようやく顔を上げる。
とんでもなくエロい行為をしているのにあいつは相変わらず涼しい顔をしている。
蔵馬の指先が飛影の背を滑り、尻の奥へと消えた。
「あっ!う、あああ…」
手の位置から、角度から、その指先が飛影の体内に入っていくのが嫌でもわかる。
…指が、どんどん奥へ入っていく。
グチュグチュと音をたてて指が抜き差しされる。
その度に飛影は背を反らし、聞いた事もない声を上げる。
この後に何が起こるのかなんてオレも分かってはいる、…と思う。
でも…あんなとこにあんなもんが入るのか?
そう考えるとチビな飛影の体がより小さく見えた。
いやまさか…。
どう考えてもケツの穴がぶっ壊れそうだ。
「く、らま…も、う、いいから…早く…!」
いや、よせって飛影。
ケツが壊れっぞ。
おっかないもんほど目をそらせなくなるもんだ。
蔵馬が飛影の体勢を変えさせ、尻を持ち上げた。
今まで蔵馬の影になっていて見えなかったそこが、オレにも一瞬見えた。
赤く色づいた襞はぐっしょり濡れ、ヒクッ、ヒクッと動いていた。
そこに、蔵馬が…
「飛影、挿れるよ。力を抜いて」
ご立派なモノを勢い良く突っ込んだ。
***
オレの未熟なテクニックと比較して、悲しくなるほど蔵馬は長かった。
しかも、上手い、のだろう。
…飛影の顔を見れば、オレでも分かった。
…ケツ裂けてないのかな?
突っ込まれた瞬間はさすがに飛影は苦しそうな大声を上げた。今はもう甘ったるく鼻にかかった喘ぎ声をあげている所を見ると、ずいぶんと気持ち良さそうだ。
この時点で、いくら鈍いオレでもこの行為が飛影にとって初めてでもなんでもない事はわかった。
「あっあっ、ん!ああああ!」
飛影が三回目に噴き出したのと同時に、蔵馬も背を反らした。
「ん、あ…」
飛影の体がベッドに沈み、細かな痙攣を見せる。
な、中出し?マジ?
うわー、腹壊しそう…
いやいやいや!そんな事どーだっていいんだ今は!
…どーすんだオレ。
こんなの見てたのがバレたらマジで殺される。マジヤベェって!
バレなかったとしたって…この後あいつらを見たらどういう顔すりゃいいんだ?
なぜだかオレまで熱くなってきた。
…クローゼットが狭すぎるからだ、と思いたい。
それ以外の理由じゃない、と思いたい。
ベッドに沈んだ飛影とは対称的に、蔵馬は余裕綽々の顔で起き上がり自分と飛影にバサリとシーツをかけ、抱き寄せてベッドにもぐる。
寝る…のかな?
頼むから寝てくれ。
どうやら寝るらしい。
今抜け出さないとチャンスはない。
十分ほどして、飛影の寝息に蔵馬の寝息が重なったのを見計らって、オレは今までの人生でこれほど細心の注意を払った事はないってくらい、そーっとクローゼットを開けた。
部屋の中は、オレにも覚えのある匂いに満ちている。
物音一つ立てずに床に下り、這ったままドアを目指す。
そっとドアノブに手をかけ、回す…
「幽助」
小さいのに、鋭い声。
心臓が飛び上がった。
飛影を抱いて眠っている…いや寝たふりをしていた蔵馬がニッと笑う。
「…高くつくよ」
返事も返せないでいるオレに再び笑いかけると、蔵馬はシーツに潜った。
***
「あ、先に行ってて」
飛影にそう告げ、蔵馬がこちらに向かってくる。 いつも通り蔵馬は涼しげで優等生っぽくて、飛影は愛想なしでさっさと行ってしまう。
すれ違う飛影とバッチリ目が合い、オレはあわてて視線をそらす。
飛影はいつも通りの仏頂面で、何見てやがる、と言い捨て立ち去った。
ちょっと聞きました?何見てやがる、だってよ。
何見たんでしたっけ?
…昨夜の事はオレの夢だったのかも。そう思いたい。
飲みすぎたしな、昨日。
「昨夜は、楽しかった?」
蔵馬が笑顔で放った一言で、オレの現実逃避はあっさり砕かれる。
「っおめー!! オレがいる事どっから知ってたんだよ!」
「最初から」
「てめぇ性格悪すぎなんだよ!」
「何が?覗いてた人に言われたくないけど」
「オレはそんなつもりじゃなかったんだよ!」
「どうだか。飛影が欲しくなった?」
「はあ!?」
冗談よせやい。
オレはそんな趣味はない。
抱くのは女だけで結構だ。抱いたこともないけど。
「ばっかやろう!一緒にすんな!」
「そお?でも…ちょっと味見してみたいと思ったでしょ?」
味見?
飛影の体、声、肌の色…
いや、まさか!そんなわけない。
「ばっ、馬鹿こけ!オレは…」
「だーめ。彼はオレのだから」
「いらねーよ!」
「どうしてもって言うなら一回くらい抱かせてあげるよ。でもオレに許可なく抱いちゃダメだよ」
「いらねーつってんだろ!」
「…3Pもいいかもね。君にもいろいろ教えてあげるよ」
「はあ!?」
何もかも見透かすような、蔵馬の人の悪そうな笑み。
オレが今、赤く色づいてぐっしょり濡れた襞が物欲しげにヒクッと動く、あの光景を思い出したのを、多分蔵馬は分かってる。
飛影の上げるあの声を思い出した事を、きっと蔵馬は知っている。
あそこに自分のモノを突っ込むのはどんな気持ちなのか…
中はどれほどあたたかいのか…
その時あいつがどんな声を上げるのか…
それを、聞いてみたい、だなんて。
いつの間にやら蔵馬は立ち去っていて、オレはまたあの言葉を思い出す。
…厄介事ってのは向こうから近づいてくるんじゃない、お前の方から厄介事に近づいていってるんだよ…
ほんとだなオフクロ。
おまけにこの厄介事は超がつく厄介事だ。
そのうちオレは、あいつを…
味見、してみたくなる、…かも。
...End |
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