Sweet Pain

「今なんて言ったの?」

オレは言われた言葉の意味がわからなくて、思わず聞き返した。

「あいつ、より…貴様の方が…っ…アッ、…上手い、と言ったんだ」
「あいつって…誰?」

すっかり勃ち上がったそれを、指で捏ねくり回していたオレは手を止めた。
感じやすい飛影はすでにタラタラと蜜を零している。

初めて彼を抱いた時、明らかに彼は初物だった。
挿れた時の尋常でない痛がり方が、大量の出血が、それをはっきり示していた。

もっとも…彼が痛みにも快感を感じるらしい事も分かったけれど。

「あいつって誰?」

手の中のものをぎゅっと握り、オレは再度詰問する。

「あっ痛っ!…誰って…時雨だ」
「は?貴方あの男が好きだったわけ!?」

別に。
飛影はあっさりと答える。

「じゃあなんで?」
「邪眼の、手術…の後…あっつ!手を放せ!痛い!」
「手術の後?」
「ベタベタ、に…濡れてて…そういう趣味なんだな、ってやつが…」
「やつが?」
「術後…痛みがひどかった時に…毎日…」
「毎日!?」
「手で…してくれた…あっん!」

それがどうかしたか?
飛影は不思議そうに問う。

どうかしたか?
どうかするに決まってる。

オレはぬるつく指を、尻の間に滑らせると、奥の小さな穴にゆっくり差し込んだ。

「あ!あ…んん!」
「…こんな事も、してもらったの?」

熱く締めつける穴の中を、オレは指で掻き回す。

「あ!あああ!ぁ…して…もらっ、て…ない…前、だけ…」
「そ。じゃあこんなのは?」

指をいきなり三本に増やし、きつい入り口が裂けるほどの勢いで抜き差ししてやる。
引き伸ばされた穴の縁が切れ、血が滲み始める。

「ア!ア!…ちょ…待て…痛い…っ!!」
「痛いのが好きなくせに」
「違…う」
「違わない。…もう時雨にはさせないって誓わないと…」

誓わないと、どうする?
快楽と痛みに潤んだ目で、飛影は生意気にもオレを挑発する。

オレは無言で、温かな体内に挿れた指先、鋭い爪で中を引っかいてやる。

「うあ!ああ!やめ…」

痛みを感じているだろうに、飛影のものはより一層硬くなった。
…痛みで感じるとは、やれやれ、困った好き者だ。

オレはその好き者を満足させるべく、足を大きく開かせた。
二度と他の男にさせる気になど、ならないようにさせてやろう。


...End