にゃんにゃんにゃん

まずは、耳に。

短いがつやつやの黒髪から飛び出す二つの耳に、蔵馬はキスを落とす。
薄いフチを軽く噛み、やわらかなピンク色の内側を舐める。

「……にっ…」

腕の中の黒猫がビクッと体を震わせたのを感じて、蔵馬は小さく笑う。

額に、まぶたに、頬に、撫でるような軽いキス。
続けて、ぎゅっと噛みしめられた薄い唇にも、キスを落とす。

声を出すまいと噛みしめられた唇を、舌先で舐める。
黒猫は、声を、吐息を閉じこめようと、一層強く唇を噛んだが、黒く長い尾は、くっ、とうねった。

くすくすと笑いながら、蔵馬は器用に黒猫の服を脱がせ、首筋に、鎖骨に、唇を這わせる。
そうしながらも、ボタンを外し、胸元に滑り込む手は休まない。

「……っ、ひ」

上の二つだけボタンを外したパジャマから滑り込んできた手。
蔵馬の右手、人差し指と中指が胸を上下し、小さな乳首を赤く勃たせる。

「…ぁ……」
「強情だなあ」

蔵馬は指を親指と人差し指に替え、ポツンと尖ったそこをギュッと摘んだ。

「っひ!あ…っ」
「違うでしょ?なんて言わなきゃなの?」
「や、さわ…る…はなせ…っ」
「なんて言わなきゃだか、忘れたの、飛影?」

今度は反対側に。
こねるように、ぐりぐりと乳首を揉まれ、両の乳首はすっかり充血している。
飛影は大きく息をつき、唇をぎゅっと引き結び、蔵馬を睨む。

「そんな顔してもダーメ。今日はそういう日なんだから」

いつの間にか飛影の上衣はすっかり脱がされ、白い肌にポツンと二箇所、充血した乳首が痛々しくもあり、生々しくもある。

「くら…ヒアッ!!」

ズボンを下ろし、下着の中に入ってきた手に、飛影の抗議は止められてしまう。
蔵馬の手を押さえようとした手は、力なく降ろされてしまう。

「にっ…!」

耳が、尾が、ピクピク動く。
下着の中でくちゅくちゅと音を立てて弄くり回され、飛影の頬は桃色に染まる。

もうちょっと、先っぽも。
もう少し、後ろのやわらかい所も。
触って、揉んで、弄って欲しい。

言葉にしない飛影の願いをわかっているくせに、蔵馬はわざとそこを外し、指先を棹に上下させ、飛影が降参するのを待つ。

「くら…ま…にゃああ」
「そう。いい子だね。なんて言うんだっけ?」

鈴口を一瞬指先で擦られ、飛影は背をのけ反らす。

「にゃんっ!」
「…いいよ。もっと続けてごらん」

蔵馬は飛影の下着をサッと抜き取ると、震えるピンクの屹立を、口に銜えた。

「あ、ん!にゃん!!」

ねっとりと、あたたかい、口の中。
赤い瞳に恍惚を浮かべ、飛影は蔵馬の長い髪に指を絡める。

仰向けに倒され、持ち上げられた尻の奥に、蔵馬の長い指が挿入されても、飛影の瞳は変わらぬ潤みをみせていた。

「にゃんっ…にゃ…」

左手は膨らみきった陰茎の根元を抑え、右手は尻の奥を開く。
すでに飛影の入口は三本目の指を銜え込み、捩れながらも赤い内部を覗かせている。

「あ、にゃん…にゃんっ!!」

ドライでイッてしまう寸前に、蔵馬は指を抜く。
そのタイミングに飛影は思わず腰を振ったが、根元を握られていては何一つ思い通りにはならない。

「くら…っ!あ、もう!! だ、め…だめだ…早く…っ」
「そお?じゃあ、おねだりは?」

いつもの飛影ならば、ぎろりと睨んで一蹴しただろうが、前はビクビク、後ろはヒクヒク、波打つ下腹部に息苦しささえ感じている今は、飼い主の意地悪に腹を立てている余裕はない。

「くらま…にゃん!にゃあぁ…」

両足が、ぐっと開かれる。
先走りや腸液で、淫らな陰部はぬらりと濡れている。

「飛影…かわいいよ。大好き」
「にゃん…いいから…早く…ぁ、ん!にゃああああん!!」

ぐぷ、ぬちょ、っとあられもない音を立て、肉棒が突き込まれる。

「あ!にゃああん!あん!」

尾はピンと天井を指し、半開きの唇からは鳴き声が迸る。
直腸を突かれる度に黒猫は、にゃあにゃあみゅうみゅうと声を上げ、背を反らし、覆いかぶさる蔵馬の背に爪を立てた。

「にゃっ!にゃっ!にゃっ!にいっ…」
「飛影…飛影……愛してる」
「にゃん!みゅ、あ、にゃあああん!! そん、な、奥…にゃ、め…」

ガツン、と尻を突かれ、唇を吸われ、両の手で勃起したままの陰茎を揉みしだかれる。
赤い瞳は快楽にとろけ、足先は快感を示して、強く丸まる。

じゅぽんと抜く。
ぐぷりと差し込む。
じゅぽんと抜く。
角度を変えて、ぐぷりと差し込む。

「もっと、鳴いて…声を、聞かせて」
「う…っく…にゃぁ…にゃん…もう…ケホッ」

二十分程も突かれ、さすがに飛影も声が嗄れてきたのか、潤んだ目で蔵馬を睨む。

「あはは。ごめんね。もうそろそろ…」
「ひ、あ…」

ぐうっと肉棒は膨らみ、同時に肉壺も絶頂へと押し上げる。

「ひあ、あ、にゃああああんっ!! にゃんんーっ!!」
「う…あ……。飛影……」
「…ぅ…にゃん……」
「飛影」
「…にゃん…?」

良くできました。飛影。
二回戦も、頑張ってね。

汗ばんでも綺麗な顔で、蔵馬はにっこり笑ってキスをした。


...End.


2012年2月22日・にゃんにゃんにゃんの日記念。22日~26日までの期間限定アップでした。
どうやらセックスの間、にゃんにゃんだけ言えと脅された模様(笑)